「FIRE(経済的自立と早期退職)」という言葉が浸透しつつある今、FIREの中にも「サイドFIRE」と「フルFIRE」という選択肢があることをご存じでしょうか?
この2つの違いを正しく理解し、自分に合ったFIREを目指すことは、効率的な資産形成と失敗のないリタイア生活への第一歩です。
本記事では、「サイドFIREとフルFIREの必要資金額の差」に焦点を当て、具体的なシミュレーションとともに分かりやすく解説していきます。
【目次】
- FIREとは?サイドFIREとフルFIREの違い
- フルFIREの必要資金額とは
- サイドFIREの必要資金額とは
- サイドFIREとフルFIREの資金差シミュレーション
- どちらを目指すべき?選び方のポイント
- FIRE後の生活コストの考え方
- まとめ|まずは自分に合ったFIREの形を見つけよう
1. FIREとは?サイドFIREとフルFIREの違い
「FIRE」は、Financial Independence, Retire Earlyの略で、経済的に自立し、早期退職を目指す生き方です。そのFIREの中でも、ライフスタイルに応じて以下のように分類されます。
種類 | 内容 |
---|---|
フルFIRE | 完全に仕事を辞め、資産収入だけで生活 |
サイドFIRE | 最低限の生活費は資産収入で賄い、不足分は労働収入で補う |
✅フルFIREの特徴
- 完全リタイア状態
- 時間に完全な自由がある
- その分、資産目標が高い
✅サイドFIREの特徴
- 時間をコントロールしやすい働き方(パート、フリーランスなど)
- 資産目標が抑えられる
- 不労所得+労働収入のミックス
2. フルFIREの必要資金額とは
フルFIREを目指すには、生活費すべてを資産からの収入で賄う必要があります。
FIRE界隈では「4%ルール(トリニティスタディ)」が有名です。
▶︎ 4%ルールとは?
投資資産を年利4%で取り崩すことで、30年以上生活資金を維持できるという考え方。
▶︎ 年間生活費別の必要資産額
年間生活費 | 必要資産額(4%ルール) |
---|---|
200万円 | 5,000万円 |
300万円 | 7,500万円 |
400万円 | 1億円 |
つまり、年間300万円の生活費で暮らすなら、フルFIREには7,500万円の資産が必要ということになります。
3. サイドFIREの必要資金額とは
サイドFIREでは、生活費の一部を労働収入でカバーします。たとえば、月5万円〜10万円程度をパートや副業で得る前提です。
▶︎ 労働収入を活用したケース
- 年間生活費:300万円
- 月5万円(年間60万円)を副業で稼ぐ場合 → 不足分は240万円
この240万円を4%ルールで賄うには?
240万円 ÷ 0.04 = 6,000万円
月10万円(年間120万円)稼げれば?
180万円 ÷ 0.04 = 4,500万円
✅ サイドFIREの資金目安
労働収入(月) | 年間労働収入 | 必要資産(生活費300万円想定) |
---|---|---|
5万円 | 60万円 | 6,000万円 |
10万円 | 120万円 | 4,500万円 |
15万円 | 180万円 | 3,000万円 |
サイドFIREの魅力は、働く意思があれば、必要資産を大幅に減らせる点にあります。
4. サイドFIREとフルFIREの資金差シミュレーション
具体的な資金差を見てみましょう。
🔸前提条件
- 年間生活費:300万円
- 運用利回り:4%
- 労働収入:サイドFIREでは月5〜10万円
タイプ | 労働収入(年間) | 必要資産額 | フルFIREとの差額 |
---|---|---|---|
フルFIRE | 0円 | 7,500万円 | – |
サイドFIRE(5万円) | 60万円 | 6,000万円 | ▲1,500万円 |
サイドFIRE(10万円) | 120万円 | 4,500万円 | ▲3,000万円 |
これを見てもわかるように、労働を組み合わせることで、数千万円レベルで資産目標を下げることが可能です。
5. どちらを目指すべき?選び方のポイント
以下のポイントをもとに、自分に合ったFIREスタイルを見つけましょう。
🔹フルFIREが向いている人
- 完全に仕事から離れたい
- 時間の自由を最優先したい
- 高収入 or 節約で資産形成のスピードが速い
🔹サイドFIREが向いている人
- 仕事は続けてもOK(週3勤務、副業OK)
- 早くFIRE生活に入りたい
- 心理的・経済的に安心感が欲しい
サイドFIREは「柔軟性」と「再現性」の高さが魅力で、現実的に取り組みやすい選択肢と言えるでしょう。
6. FIRE後の生活コストの考え方
FIRE後に重要なのは「生活コストをいかに抑えるか」です。
✅ 主な支出項目
項目 | 見直しポイント例 |
---|---|
住居費 | 地方移住・持ち家・賃貸選び |
食費 | 自炊中心・ふるさと納税活用 |
保険料 | 不要な保険の見直し |
交通費 | 車の手放し・公共交通機関の活用 |
娯楽・交際費 | サブスク整理・趣味の見直し |
月5万円の支出減は、年間で60万円の節約=1,500万円の資産削減(4%ルール換算)に相当します。
7. まとめ|まずは自分に合ったFIREの形を見つけよう
サイドFIREとフルFIREの必要資金額には数千万円の差があり、働き方やライフスタイルに応じて選ぶべき道は変わります。
タイプ | 必要資産額(目安) | 特徴 |
---|---|---|
フルFIRE | 約7,500万円〜1億円 | 完全リタイア・自由時間最大 |
サイドFIRE | 約3,000万〜6,000万円 | 少し働く・資産ハードル低め |
無理にフルFIREを目指すより、自分の価値観や目標に合ったFIREを選ぶことが、長期的な満足感と安心につながります。
まずは月5万円でもいいので、「働かなくても生きられる仕組み」を作ることから始めてみてはいかがでしょうか?

最初はサイドFIREを目指しながら資産形成を進めて、フルFIREは最終的な目標だね!
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